2023/10/18 (更新日:2023/10/18)
歩道を通行している電動車椅子は道路交通法上どういう扱い?電動車椅子で通行する時の道路交通法を確認します。
歩道を通行している電動車椅子は道路交通法上どういう扱い?
認証を取得した電動車椅子を運転して歩道を通行している人は、道路交通法上歩行者と扱われます。
電動車椅子で歩道等を通行するときに注意する項目、歩道を通行することが許されている電動車椅子の条件について解説していきます。
目次
- 歩道を通行している電動車椅子は道路交通法上どういう扱い?
- 電動車椅子が道路交通法で定められている歩道などでの通行方法
- 歩道などで歩行者の妨げにならない電動車椅子の安全な乗り方
- 道路交通法上認められる電動車椅子の条件
正確性を確保するために、下記の参考文献を参照しました。
< 参考文献 >
警察庁:「電動車いすの安全利用に関するマニュアル」
道路交通法:「昭和三十五年法律第百五号」
電動車いす安全普及協会:「原動機を用いる身体障害者用の車の型式認定基準」
公益財団法人日本交通管理技術協会:「原動機を用いる歩行補助車等」
1.歩道を通行している電動車椅子は道路交通法上どういう扱い?
電動車椅子で通行する人は、道路交通法上では「歩行者」として扱われます。
また、シニアカーの場合も同様に、「歩行者」として扱われます。
そのため、電動車椅子は免許なしで運転でき特別な届けも必要ありません。
電動車椅子等は、身体障害者や歩行が困難な高齢者等が移動するときの歩行を補助する手段として普及してきました。
そして、歩行が困難な方が健常者と同じように移動するための手段として、免許がなくても使用できる移動手段として電動車椅子は位置づけられています。
すなわち、電動車椅子で通行する人は、道路交通法では例外的に「歩行者」とされています。
電動車椅子が「歩行者」として扱われる条件を下記にまとめました。
①電動車椅子で歩行者と同様な交通ルールを守る
➁歩行者の妨げにならずに電動車椅子で安全に通行する
③認証を取得した電動車椅子もしくはシニアカーに乗る
それでは、これから具体的な内容を解説していきます。
2.電動車椅子が道路交通法で定められている歩道などでの通行方法
電動車椅子で通行する人は、道路交通法上「歩行者」として扱われます。
従って、歩行者として交通規則を守る必要があります。
まず道路標識に従わなければいけません。
その上で、道路交通法の基本的な「歩行者等の通行方法」を整理します。
①歩道を通行しなければならない。
➁歩道では、普通自転車通行指定部分がある場合は、そこを避けて走行するように努める。
③歩道と車道の区別のない道路では、基本右側端に寄って走行しなければならない。
④道路では歩行者用信号機などに従い横断歩道を横断する。
⑤横断歩道がない場所は、基本は道路を斜めに横断してはならない。
⑥車両などの直前・直後で道路を横断してはならない。
*正確に詳細を確認する方は下記で「第二章 歩行者等の通行方法」を参照ください.
3.歩道などで歩行者の妨げにならない電動車椅子の安全な乗り方
電動車椅子は、「歩行者」としての扱いです。
しかし、電動機で走行する乗り物ですので電動車椅子ならではの注意する項目もあります。
そこで、以下に安全に乗るための注意事項をまとめました。
①電動車椅子は一人乗りです。二人乗り禁止
➁後方・周囲の安全確認をして、滑らかな発進・停止・走行・乗り降りをしてください。
③(急)坂道でクラッチを切り手押し・通行は辞めましょう。ブレーキがかからない場合があります。
④勾配の急な傾斜道の通行は控え、
通行する場合はしっかりハンドルを持ちバランスも取りましょう。
⑤段差・溝(含む電車線路)を通行する場合は、しっかりハンドルを持ち直角に通行する。
⑥側溝・水路などへの転落事故を防ぐため、路の端から離れて通行しましょう。
⑦走行中は携帯電話を使用してはいけません。安全な場所で停車・キースイッチを切ってから使用してください。
⑧飲酒・薬を服用したときの使用は安全のため控えましょう。
⑨夜間は視界が悪くなるの、夜間の外出は極力控えましょう。
⑩電動車椅子は硬いので、歩行者・ベビーカーなどとの距離をとり通行しましょう。
⑪電動車椅子は速く走れません。信号は余裕を持って渡りましょう。
*詳細を確認したい方は下記を参照ください。
警察庁「電動車いすの安全利用に関するマニュアルについて」利用者の安全通行について
4.道路交通法上認められる電動車椅子の条件
電動車椅子には、国の型式認定制度があります。
国家公安委員会の型式認定を受けた電動車椅子には、「TSマーク」が貼付けられています。
従って、「TSマーク」が貼られている電動車椅子であれば、歩行者として認められます。
「歩行者」として扱われる電動車椅子の条件をまとめました。
「原動機付き歩行補助車の構造及び性能基準」認定の技術基準
①車体の大きさ
- 長さ:120cm以下
- 幅:70cm以下
- 高さ:109cm以下(歩行補助車)
or 高さ:ヘッドサポーを除き120cm以下(身体障害者用の車)
➁原動機として電動機を用いること。
③6km/hを超える速度を出すことができない。
④歩行者に危害を及ぼす恐れがある鋭利な突起物がないこと
⑤自動車または原動機付自転車と、外観を通じて明確に識別することができること。
*詳細を確認したい方は下記を参照ください。
5.まとめ
歩道を通行している電動車椅子の道路交通法上の扱いと通行する時の注記事項を整理しました。
電動車椅子は歩行者として扱われます。
とはいえ、乗り物故に注意しなければいけないこともあります。
交通規則を理解し、電動車椅子を使って充実した生活をお過ごしください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
極力正確に伝えるように心がけました。
足りない部分、適切でない部分、補足などが有りましたらご指摘等お願いいたします。
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